プライドが高く、自分が優位でないと気が済まないお子さんの例

プライドが高く自分が優位でないと気が済まないお子さんの例

G君                 初診時3歳0カ月

Ò  来所時までの経過

1歳児「ママ」とか話していたが、米国へ行っていて、その後増えず、日本に帰ってきて2歳過ぎて少しずつ増え始める。支援センターからの紹介で来所する。

初診時の様子

発語50語以上、「こう、ねんね、もも」(こうがねんねしたら桃太郎読んでほしい」など3語文もある。

初診時行動の様子

ホワイトボードの型はめなど誘っても直ぐには来ない、しばらくして何とかやる、トーキングカードはThの指示した物は持ってこないが自分が選んだものを持ってくる。

板渡ってブロック倒しなどの活動も自分の思いついたやり方で遊ぼうとする。

初診時所見

理解力は十分ありそう、音韻の聞き取りに難しさがある可能性もあるが、自分が優位で遊びたいタイプ、手伝いとかよくするが、相手の提示したものにすんなりとは応じず、自分のやり方で遊ぼうとする。本児に合わせながらも、大人が提案したことも面白く感じられる体験が必要。個別指導をする。

Ò  指導の経過

5ヶ月間月4回の個別指導を行う。こちらが提示したのをしぶしぶ少しやると自分の好きなことをあれこれ要求する。こちらの提示した遊びも必ず自分のやり方で行おうとする。それらをずっと繰り返していたが、最後の方ではお互い何をするかわかり合ってきて、本人が自分でやり始めたすごろく・宅急便やさんごっこ・箱車をたくさん連結した貨物電車の運転手役・バットで大型風船を打つ遊びなど共同遊びとして十分成立するものをよくやっていた。その間に、喋るのが段々はっきりして、こちらも聞き取れるようになってきた。3語文ぐらいで話していることが多くなってきた。

年少で幼稚園に行く時から、グループにすると意外と他の子に釣られてトンネルくぐりで必死に追いかけっこして走り回ったり、絶対嫌いでやらなかったベニヤ板の上を走ってきてジャンプするなど身体使った遊びをよくやるようになった。

また、個別指導の時はやろうとしなかったトーキングカードで質問に答えることや歌を一緒に歌うこともやり始めるようになった。

年少グループが終わる頃には、こちらの提示した課題を順に続けてやるようになる。

言語・コミュニケーション発達スケール結果

4歳6カ月時には、全ての領域で年齢相応になっていました。

保護者の感想

Ò  3歳1ヶ月の時、キッズコミュに来た時は、

・言葉が遅れている(発語は単語だけで、2語文はなしで1年の遅れ。理解は年齢相応)

・お遊戯などみんなで一緒に身体を動かすことは苦手)

・人見知りや場所みしりが強い

先生の提案より、自分のやりたいことをどんどん見つけて、そちらをやろうとするということでした。

指導を受けて、幼稚園に入園する3歳半ごろには、

・少しずつ文章で話すことが増え、先生とも直接コミュニケーションがとれるようになました。

・個別指導からグループに変わると、お友達に影響されてか、先生の提案や指示に素直に従うようになり、幼稚園の活動も1学期から支障なく行えました。ここで指導を受けて

・最初は、個別指導で本人のやりたいことに先生が気長に付き合ってくださったこと。

・苦手な言葉だけではなく、得意な運動の時間があることで、本人がやる気が続いたことがとてもよかったです。