発達の考え方<概要>

目次

言語発達や社会性の発達について(概要)

言語発達も社会性の発達も人と人との関わり合いの中から育ってきます。

一対一の親子関係からスタートし、その後、兄弟、親戚、近所の子供たち、保育園や幼稚園等の子ども集団での他児との関わり合いへと広がっていく中で、言語発達も社会性の発達も進んでいきます。

そもそも言語は 人間の赤ちゃんはどのようにして言葉を話すようになるのでしょうか?

生態心理学者の、エドワード・リードは家族内のコミュニケーションとより大きな集団でのコミュニケーションでは質的に異なっていて、それを順に体験する中で、言語獲得が進んでいくことを示しています。

1.対面的相互行為のコミュニケーション

養育者と乳児の対面的フレームにおけるコミュニケーション0ヶ月~3ヶ月頃
見つめ合い・声の掛け合い・全身の動き・微笑み合いなど、視覚・触覚・聴覚など知覚がフルに働いて情動を共有している。

言語や社会性の第1段階

1対1の親子における情動の共有が基本

2.物との行為と養育者との相互行為の共存

3ヶ月〜6ヶ月頃
物とも行為に没頭する場合と養育者と相互行為に入るのを拒否することもありますが、自分から積極的相互行為に入ることを誘うことも多くなります。
様々なゲームの相互行為で感情の盛り上がりを体験して、自分の感情を制御する他者と共にある体験をします。

言語や社会性の第2段階

自分の感情を制御する他社と共にある体験をする

3.三項的な相互行為

9ヶ月頃
子どもがハイハイで移動できるようになると、よりたくさんの物・場所・事象の中に入れるようになる。移動する大人・子ども・物との間で動的な三項的な相互行為が成立するようになります。 また、社会的パートナーの注意と行為を促すために、身振りや声を使って、行為の流れの中にある特定の物・場所・事象を強調することになります。養育者も周囲についての情報を含む発話が格段に多くなります。

言語や社会性の第3段階

動いて家族と興味あることを共有し、自分から家族の習慣的日常行動への参加をする

4.家庭内の境界内にある「指し言葉」のコミュニケーション

12ヶ月頃
興味あるトピック(物・場所・事象・人)を対話相手と共有するために選択するのが特徴的なコミュニケーションの仕方です。環境内の物・場所・事象を他者と共有する能力が生れ、共有するものを指し示す方法も学習し始めています。社会的パートナーの注意と行為を促すために、身振りや声を使って、行為の流れの中にある特定の物・場所・事象を強調することになります。養育者も周囲についての情報を含む発話が格段に多くなります。

言語や社会性の第4段階

環境内の物・場所・事象を共有し、指し示すようになる

5.同じ言語を使用する共同体の大きい集団の中でも通用するようになる「語り言語」のコミュニケーション

情報を検知して、選択して、他者へ提供する。興味あるトピック(物・場所・事象・人)についてその性質や特徴などを表現する。その表現は他者が聞いて、情報となるとともに自分自身にも戻ってきて内化し、思考や認識になっていく。

言語や社会性の第5段階

興味あるものをジェスチャーや指差しして指し示すと、保護者は「◯◯だね」とことばで返し、少しずつことばが出始める。
物の名前・感情語・要求語・動詞と増え始める。

言語や社会性の第6段階

保護者との会話の中で、動詞に目的語・主語・場所・手段などが対になって、二語文が出始める。

動詞には必ず、「誰が?」「何を?」「どこへ?」「何で?」などの主体・目的・場所・手段となることばがセットになっていることに気付き始めます。2つのことの繋がりを意識し始めることは、認識の世界でも2つの物事の前後関係や用途にも気付き始めます。

言語や社会性の第7段階

兄弟など、慣れ親しんだ他児と、目の前の状況に合わせた行動を一緒に行って、情動のバイブレーションや一体感を味わう。

言語や社会性の第8段階

他児との連続した活動を繰り返す中で、先の予測を少しイメージして活動したり、活動の結果を予測したりするようになる。

自己の欲求が肥大して、他者と、計画、ゲームのルール、所有権、活動や出来事の順序、さらにそれらをめぐる対立などが生じ、調整が必要になります。

言語や社会性の第9段階

指し示した表現が他者にもはっきりわかるようなことばが、大人との会話のやり取りの中で生まれてくる。(ことばの創発性)

強い要求表出とそれをくみ取ろうとする大人とのやり取りの中で、はっきりわかり合えることばが生み出されていきます。

言語や社会性の第10段階

より詳しい表現が大人との会話のやり取りの中で生まれてくる。(ことばの創発性と文の生成)

「ママと、おふろに、はいる」
「誰が何をどうする」「どこで何をどうする」など3つの要素がセットになって想定されるようになると3つの物の繋がりもわかるようになり、先行・後続・展開などの3つのストーリーを順に話せるようになります。子どもの発話にまだ含まれていない次に展開されることはなんだろうときくと、子どもは次の展開を予想して発語が出てくる。そのようにして、2人のやり取りの中から次々発語が生れてきます。大人の質問と子どもの返答が合わせると2~3語文の文章になっています。これが、ことばの創発と文の生成いう現象です。

言語や社会性の第11段階

日常的な大人との共同生活や療育の指導場面での大人との共同的体験から、代表的なシナリオが次々生み出されて表現されていきます。子どもの欲求・計画・順番・因果関係の認識と周囲の大人とのそれらの認識との対立などから、理由の表明が求められ、それが「○○したから、○○したので」という複文を生み出されていきます。

「きょうは、あめだから、おそとで、あそべないね」
毎日体験している代表的なシナリオを表現するようになりその代表的なシナリオとは違う今日体験した別の表現が生まれてきます。
その違いを明確に表現したものとして、「今日は雨が降っているから、外行けないね」という複文が生まれてきます。

言語や社会性の第12段階

物事の因果関係に着目した会話がたくさん為される中で、「風邪をひいたからお医者行こうね」「ご飯の前はお菓子食べちゃいけないんだよね」「信号で、赤は止まれ、青は進めだよ」など、一定の法則や条件による違いに着目した因果関係の表現も出てくるようになります。
また、グループの活動場面では、こうなったらこうするなど条件を伴った一連の行動がよくできるようになります。

言語や社会性の第13段階

問題が作れるなど物事の説明力が向上し、誰かが作った問題に誰かが答えるのを繰り返して、他児との相互交通のコミュニケーションが成立しています。
また、いろいろな他児との役割交代遊びに夢中になって楽しめるようになります。

(現前事象から独立した言語体系が確立される)
6歳ぐらいまでに、①基本的文法、②語彙力、③論理的説明力、④こころの発達、⑤物語力などが確立し、非現前事象から独立した話しだけの会話が成立するようになります。

目次