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発達の考え方<詳細>
言語発達や社会性の発達について(詳細)
言語発達も社会性の発達も人と人との関わり合いの中から育ってきます。一対一の親子関係からスタートし、その後、兄弟、親戚、近所の子供たち、保育園や幼稚園等の子ども集団での他児との関わり合いへと広がっていく中で、言語発達も社会性の発達も進んでいきます。
ここでは、言語発達と社会性の発達を同時に考えることで、子ども達のより実態に即した発達の様子を述べてみたいと思います。
言語 人間の赤ちゃんはどのようにして言葉を話すようになるのでしょうか?
特に教えたわけでもないのに、いつの間にか言葉を話すようになっていたというのが、子どもを育てたことのある母親たちの印象ではないでしょうか?ある時期になるといつの間にか、たくさん話すようになります。また日本語や英語、中国語などそれぞれの幼児が住んでる母国語を話すようになるわけですから、見本となる言語環境が必要であることも確かなことです。その為、多くの心理言語学者が「言語獲得は生得的な行動で、学習されるというよりも適切な環境刺激によって触発される」と主張するチョムスキーの考えを継承しています。しかし、それでは、具体的にどのような環境の中でどのようにして子ども達はことばを獲得していくのかよくわかりません。
生態心理学者の、エドワード・リードは家族内のコミュニケーションとより大きな集団でのコミュニケーションの間には質的な違いがあり、それを順に体験する中で、言語獲得が進んでいくことを示しています。
言語や社会性の第1段階
1対1の親子における情動の共有が基本になります。
1.対面的相互行為のコミュニケーション
養育者と乳児の対面的フレームにおけるコミュニケーション(0ヶ月~3ヶ月頃)

見つめ合い・声の掛け合い・全身の動き・微笑み合いなど、視覚・触覚・聴覚など知覚がフルに働いて情動を共有しています。
赤ちゃんは欲求の塊です。この激しい欲求に応じて、母親の育児行動がスタートします。あやしたり、おっぱいをあげたり、おむつを替えたりすることになります。そして、赤ちゃんの欲求は生理的表現にとどまらず、母親の目をじっと見て、話しかける声にじっと耳を澄まして、口元の動きに大変興味を示すようになります。自分でも声を出したり、笑ったりします。そして、相互に見つめ合ったり、声を出し合ったり、笑い合ったりします。
言語や社会性の第2段階
養育者と子ども間で自分の感情を制御する他者の存在とともにある体験をする。
2.物との行為と養育者との相互行為の共存
生後3か月から6か月頃、物への興味が強くなり、物に手を伸ばし、掴んで口持って行ったり、離したりするようになってきます。また、足に括りつけられたひもを足でばたつかせて、引っ張ると音が鳴ることに興味を示したり、布を引っ張って、その上のおもちゃがつかめることなどを発見したりします。また、赤ちゃんは好奇心の塊でもあります。とにかく、いろんな物をじっと見て観察しています。部屋の空間にあるものを見つくしていたり、動きのあるものを見ているだけでも飽きることがありません。物を布で隠して布を取るとそのものが現れる遊びだけでずっと感動しています。顔を使ったいないいないばあ遊びでも、物が人の背中からぱっと目の前に出す遊びだけでも大喜びになります。
そして、自分でも何か振って音がしたり、何かを落として転がるのを見ていたり、上から吊るされている紐をひっぱって鈴が鳴ったり、ハンカチを引っ張って上に乗っている物を取ろうとしたりして、自分の行った行為の結果を確かめる遊ぶに夢中になります。そして、思った通りにできるとにんまりして母親の方を見ます。なかなかうまくできないと、怒って母親を呼んでやってもらおうとします。そうして、行為の結果を他者と共有するようになります。
物への探索や操作に没頭している時、養育者との相互行為の誘いを拒否したりすることもありますが、自分から、じっと見つめたり、微笑みかけたりして相互行為に誘いかけることもします。その頃、養育者は高く柔らかい声で、抑揚が強調されている育児語を用いることが知られていて、子どもの方もそれを好んでよく反応し、声が多くなります。この声の交わし合いは順番交代も含まれていて、その相互行為のフレーム内で、「バブバブ」などの喃語も出現するようになります。このような、相互行為と発声の能力が一体になり、通常「ゲーム」と呼んでいる一群の重要な活動が(手拍子、リズム、と押韻、しぐさを変えながらの発声)が展開されます。「いないいないバア」「くすぐりあそび」その他、いろんなゲームで、養育者と子どもの間で役割が決まっていたりします。養育者が子どもの期待するゲームの役割をしなかったりすると、とても不機嫌になったりします。そのように、養育者と子どもの間で自分の感情を制御する他者の存在と共にある体験をすることになります。
人間の赤ちゃんは、母親の世話とことば掛けによって、自分という存在に気づき、相手の存在も意識できるようになります。そして、母親の存在に一喜一憂し、心の拠り所になっていきます。それを経て、相手も自分も意思のある存在として気づいていくことになります。
言語や社会性の第3段階
動いて家族と興味あることを共有し、自分から家族の習慣的日常行動への参加する。
3.三項的な相互行為

生後9月頃 子どもがハイハイで移動できるようになると、よりたくさんの物・場所・事象の中に入れるようになります。探索的活動が格段に増え、相互行為も再組織化されることになります。一つの複雑な環境内にいる移動性を持った二人の人と+物で、動的な三項的な相互行為が始まります。環境内の物・場所・事象を他者と共有する能力が生れます。そして、こどもはたんに共有するにとどまらず、共有するものを指し示す方法も学習し始めている。社会的パートナーの注意と行為を促すために、身振りや声を使って、行為の流れの中にある特定の物・場所・事象を強調することになります。養育者も周囲についての情報を含む発話が格段に多くなります。
赤ちゃんがハイハイできるようになると、自分の意思で動くことができるようになります。移動範囲が増えて、子ども自身の「自由行為場」となります。それらの技能の中で重要なのが、環境内の物・場所・事象を他者と共有する能力が増えていくことです。食事の準備をしていると、食事のテーブルの方へ来る、お風呂に入る為に服を脱がし始めるとお風呂に入る気になっている、チャイムが鳴ると玄関の方へはっていく、出掛ける準備をしていると自分も行く気になっているなどです。養育者と共に行っている生活の場に自分から動いて入っていくことになります。一緒に生活する上で、一連の流れに沿った共同行動が取れることが多くなります。しかも、物・場所・事象を共有するだけにとどまらず、共有するものを指し示す方法を学習し始めている。移動できるようになった子どもは、自分の欲しいものを選び出したり、望み通りの場所を見つけたりして、事象や活動に選択的に関与することができるようになります。そのうえ、子どもは養育者側の選択や選別の意味もある程度理解できます。そして、養育者の催促に同調したり、その変更を求めたり、妨害するための行動を起こしことさえします。より共同活動として行えるものが増えて、母親の話を聞きながら活動したり、指示に応じたりすることも増えてきます。「ちょっと待って」「座って」「押して」「投げて」「ちょうだい」「持って来て」「それ拾って」などです。そして、「お風呂からあがったら拭こうね」「どこどこまでいくよ」「かたずけるからここにいれて」「コップに入れてのむよ」などの話しかけが分かってきますし、拒否することもできます。子どもの属する文化圏の家族が行っている習慣的日常行動の中に入っていくことになります。
言語や社会性の第4段階
家族のパートナーに興味あることを指し示して分からせようとする。
4.家族内の境界内にある「指し言語」のコミュニケーション
興味あるトピック(物・場所・事象・人)を対話相手と共有するために選択する。
一歳の誕生日を迎えるころ、子どもは物及び物に関わる一連の出来事をめぐって養育者と相互行為することにますます多くの時間を費やすようになります。(ボール・おもちゃ・人形などの単純なゲーム)相互行為の中で「ボールを私に渡して」「ボールをかごに入れて」などの区別ができてきます。一歳後半には母語の音声パターンに同調するようになります。例えば「彼女は鍵にキスしている」「彼女は鞠にキスしている」を聞き分けて、「鍵」と言ったときは鍵を見て「鞠」と言ったときは鞠を見ていた報告があります。一歳前後の子どもは、「与える」、「見せる」、「指す」、「要求する」4種類のジェスチャーが見られ、16か月の子どもは慣習的な社会的ジェスチャー、述語的ジェスチャー、形容詞的ジェスチャー、名詞的ジェスチャーが見られたとの報告があります。
また、「指し言語」が可能にする相互行為の大きな変化は現在のコンテクストの外部にあるトピックもコミュニケーション可能になります。(見当たらないクッキーを欲しがったり、上着に手を伸ばして散歩に行きたいことを指し示すなど)
言語や社会性の第5段階
興味あるものをジェスチャーや指差しして指し示すと保護者は「○○だね」とことばで返し、少しづつことばが出始める。物の名前・感情語・要求語・動詞と増え始める。

1歳過ぎる頃、指差しが出てきます。欲しいものが高い所にあって、母親にそれを取ってほしい時指差す場合と、何かを見つけて指差す場合があります。いずれも、対象となるもののイメージがあって、それを母親と共有する表現行為です。母親は当然「○○なの?」と聞いて取ってくれたり、「そうね、○○だね!」と返すことになります。ですから、指差しは物の名前が分かり始めるきざしになります。
それが進んで、近くにあるもので母親が指差して「○○取って」と指示したり、子どもが見てるものを「○○だね」と声掛けたり、母親が遠くのお月さまを指差しながら見て「きれいなお月さまだね!」と声掛けると子どもも遠くのお月さまを見たりするようになります。そうして、物の名前が段々分って来ると、近くにあるものであれば「○○取って」と言うと持ってこれるようになったり、絵本の食べ物や動物などを「○○はどれ?」と聞くと指差すようになります。

1歳半ぐらいを境に身の回りのある物全てに名前があることに気づいて来て、爆発的に物の名前が分かるようになります。初語は1歳前後に「ママ」「パパ」「マンマ」「いやー」など言いやすいものから、出てきます。2ヶ月ぐらいは10語ぐらいで推移しますが、そのあと、急激に増え始めます。物の名前がはっきり分かり始めて、対象となる何かを見た時『あーあーあれだー』とイメージが湧いて、それを一瞬声で「~~」と表現しようとします。母親がそれを聞いて「そうだね、○○だね」と答え、発語を強化することになります。
最初は、発音がはっきりしなかったり、語尾だけだったりしますが、母親が正確の音で返すことで、段々発音も正確になってきます。最初はたまたま思いが溢れて声になって出てくるので、自発語が多いです。発語が大分増えてくると、母親が言ったことを真似して言うことも増えてきます。そして、『○○取って』『○○食べたい』などの要求時でもことばを使うようになります。そして、1歳6カ月頃には単語で100前後話せるようになります。発語の中身は物・人・キャラクターなどの名前だけではなくて、「だっこ」「ねんね」「おしっこ」などの要求語や「寒い」「熱い」「おいしい」などの感情語、「きれい」「汚い」「赤」「青」などの形容詞、「行っちゃった」「落ちた」などの動詞も出てきます。「青」などの形容詞、「行っちゃった」「落ちた」などの動詞も出てきます。
言語や社会性の第6段階
保護者との会話の中で、動詞に目的語・主語・場所・手段とかが対になって、2語文が出始める。
発語が100語ぐらいに増えて、動詞の要求語(「取って」「開けて」「見てて」「おいで」「やって」「投げて」)が出てくると、2語文になり易いです。その一語の中に、「○○取って」「ママ見てて」「こっちおいで」など対象+動作、主体+動作、場所+動作等の意味も話し手の意図に含まれているからです。 母親の方も暗に「○○取るの?」「ママに見てほしいの?」「そっちへ行くの?」などと聞いて2語文で話すことを要求することになります。
動詞には必ず、「誰が?」「何を?」「どこへ?」「何で?」など、主体、目的、場所、手段となることばがセットになっていることに気付き始めます。子どもが「ジュース」と言えば、母親は「ジュース飲むの?」と聞くでしょう。「行く」→「お外行くの?」、「ブランコ」→「ブランコ乗るの?」、「ボール」→「ボールするの?」などと聞くことになります。その会話が繰り返される中で、2つのことが常にセットでイメージされるようになって「バス行っちゃった」「パパいない」「ママ見てて」「ボールとって」などの2語文が出てくるようになります。
生後16か月から18か月の幼児は二語以上の発話は見られないが自己に向けられた語順の差異は理解していた(「バスケットの中にボールを入れた後で手を叩く」というとその通りにした)という報告があります。
言語や社会性の第7段階
兄弟等など慣れ親しんだ他児と同じことをやって、一体感を味わう。
グループ指導
発語が少ない、落ち着きがない、癇癪を起すなどの発達の心配で來所されているお子さんや保護者に対して、2歳児・3歳児からの少人数グループ指導を行っています。エドワード・リードの分類では、家族内の「指し言語」のコミュニケションの状態にあります。。
できるだけみんなが活動に乗りやすくなるために、以下のようなことに設定や活動で行っています。
①わかりやすく、見ただけでやってみたくなるような設定②他児と同時にできる活動の設定③全身を使い達成感を感じやすい活動④スリルがあって、他児と情動のバイブレーションが起こりやすい活動などです。
そのような行ったグループ指導の様子です。
グループ指導の第一段階では、目の前のトーキングカードをよく見たり聞いたりしている。行動面では、ブロックを倒したり、型はめを枠にはめたり、坂でビー玉を転がしたり、ベニヤ板の坂を登ったり下ったり、ジャンボマットのお山を登ったり滑ったりして、目の前の状況に調和するように行動が引き出されています。(アフォーダンス)全身を使った活動は快適な情動を伴って、声が大きくなり笑顔が増え、満足した表情になります。
グループ指導の第二段階になるとトーキングカードの絵の世界で前後関係の認識と表現が出てきています。行動面でも地続き的ではあるが「あうしてこうする」といった連続的な行動の連鎖(階段上ってボールを筒の穴にいれたらバルーンから飛ばす、階段上ってきたらバルーンの上で跳ぶなど)が生れ、活動を起こす前に頭の中で先の展開のイメージが沸いて行動しています。全身を使ったジャンプなどの活動は強い達成感と他児との情動的バイブレーションが生じます。ジャンボマットのお舟では情動的共有を味わうことになります。
これらの共同活動を通して、他児と自分が同じようにできることがわかり、自分と他児が同じような存在として気づき始めます。また、情動を伴う全身活動は達成感が強く、他児との情動のバイブレーションが起こりやすくなります。そこで、他児との一体感を味わえるようになります。また、十分な一体感は自己コントロールを生み出し、他児と歩調を合わせることが出てきます。
言語や社会性の第8段階
他児との連続した活動を繰り返す中で、先の予測を少しイメージして活動したり、活動の結果を予測したりするようになる。
他児との共同的活動の中で、活動しながら身体を使って、全身で感じる知覚を基に、「あーしてこうする」という前後の認識や「こうしてこうなった」という行為の結果の認識が生じるのを何度も体験して、前後関係の認識や行為の結果の認識を確かなものにしているのではないだろうか。例えば、ボーリングで全部倒せたり、外れたりする活動を実際に何度も体験していて、絵の世界での、「雨が降ったらどうするの?」で傘を選んだり、「火事の時何が来るの?」で消防車を選んだりする前後関係の認識や表現、成功失敗の認識や表現も可能になってくるのではないかと思われます。
5.同じ言語を使用する共同体の大きい集団の中でも通用するようになる「語り言語」のコミュニケーション
情報を検知して、選択して、他者へ提供する。興味あるトピック(物・場所・事象・人)についてその性質や特徴などを表現する。その表現は他者が聞いて、情報となるとともに自分自身にも戻ってきて内化し、思考や認識になっていく。
自己の欲求が肥大して、他者と、計画、ゲームのルール、所有権、活動や出来事の順序、さらにそれらをめぐる対立などが生じ、調整が必要になります。
指し言語は、少人数のいつもきまっている相手で、家族単位の日常生活行動パターンが同じで、相手の意図が分かり易いので、成立しているコミュニケーションの仕方と言えます。しかし、より多くの集団になってくると、指し示すだけでは、うまく通じないことが出てきます。そこで、興味あるトピック(物・場所・事象・人)について、指し示すだけではなく説明が求められてくる。「これはこういうものである」と言うように自分が知っているトピックに対して表現するようになる。それが生成言語として生み出されていきます。
言語や社会性の第9段階
指し示した表現が他者にもはっきりわかるようなことばが大人との会話のやり取りの中で生まれてくる。(ことばの創発性)
言語発達の「指し示し」の段階にいる子どもを世話する人は、子どもの行為と注意を促進する方法として、発話を次第に多く用いるようになります。計画、ゲームのルール、所有権、活動や出来事の順序、さらにそれらをめぐる対立などが会話のトピックに含まれるようになります。自己の欲求の指し示しを開始した子どもはすぐに群棲環境の根本的事実に直面すます。他者への欲求、計画、欲望、指し示しを習得した子どもの「自由行為場」は常に自己の欲求の表明を含んでいるため、必然的に他者も欲求や計画を表明することになります。子どもの発話はそれと鋭く対立する意見に出会うことも、質問に出会うことも、命令や沈黙に出会うこともあります。このようにして子どもは望ましい効果を生み出す発話を選択することの習慣へ向けた強力な選択圧にさらされるのです。
ある子どもを指導している時、ギャーギャー怒りながら、子どもが何かを指さしていて、先生も母親もわからず、「ボールなの?」「箱車?」と聞いて出してみるが違う様子。その時母親が前日やった風船に水を入れて遊んだことを思い出し「ふうせん?」と聞くと頷くので大型風船を持ってくると、手で小さい恰好をして膨らませる格好をする。母親が「小さい風船」と聞くと頷いて「ふうせん」という。それで小さい風船を持ってくると喜ぶ。また、別の日、箱車を指さすので出すと、今度は大きなベニヤ板を指さす。「滑り台するの?」と聞くと「シュー」と言う。相互行為している中で、お互い分かり合える発語が生れています。また、単語が中心の子どもでも、トーキングカードで指導している時、知っているものが出てきて「○○家にある」という3語文の表現が出てくるこどもがいます。これは何々であると説明しようとしています。
言語や社会性の第10段階
より詳しい表現が大人との会話のやり取りの中で生まれてくる。(ことばの創発性と文の生成)



上記の絵を見て、子どもが「くつはいている」と言い、母親が「じゃ、次の絵は何をしてるの?」と聞くと、子どもは「お散歩してる」と答えます。母親は「そうだね、お散歩してるんだね、どこを歩いているの?」と聞くと子どもは「川」と答えます。母親は「そうだね、川べりを歩いているんだね、公園に着いたら何をするの?」と聞きます。子どもは「ブランコ乗るの」と答え、母親は「そうだね、公園でブランコ乗るんだね」と答えます。



上記の絵を見て、母親が「何がなっているの?」と聞くと、子どもは「ピンポン」と言う。母親が「そうだね、チャイムが鳴っているね、誰が帰ってきたの?」と聞いて、子どもは「パパが帰ってきた」と答えます。母親は「そうだね、パパがお家に帰ってきたね、おみやげ持っているね」と言うと子どもは「プレゼントだ!」と言います。母親が「そしてパパは何してくれるの?」と聞くと「高い高いしてる」などと答えます。一緒に生活し、活動しているとき、子どもの発話にまだ含まれていない次に展開されることはなんだろうときくと、子どもは次の展開を予想して発語が出てくる。そのようにして、2人のやり取りの中から次々文の発語が生れてきます。これが、ことばの創発と文の生成いう現象です。
それらを繰り返して、主体+場所+動作の「パパがお家に帰ってきた」とか主体+目的+動作の「パパが高い高いしてる」などの3語文も可能になります。3語文がどんどん増えてきて、『誰が何をどうする』『どこで何をどうする』『何に乗ってどこへ行く』などの3つの要素がセットになって想定されるようになると、『冷蔵庫』『冷たい』『アイス』など3つぐらいの関連する物の連想が同時に浮かんでくるようになります。
そうなると、ボーリングしようと提案すると『ピン』や『ボール』をすぐ持ってきたりするようになります。また、「雨が降っている時は何を使いますか?」と聞くと『傘』と『長靴』のカードを持ってこれるようになります。



また、先行・後続・展開などの3つのストーリー物語を順を追って話せるようになります。



象徴遊びでは、『母親役になって買い物に行く』『ヒーローの主人公になって、変身をする』「蛙の真似をして跳んで回る』など、3つの要素を含んだものになります。
言語や社会性の第11段階
日常的な大人との共同生活や療育の指導場面での大人との共同的体験から、代表的なシナリオが次々生み出されて表現されていきます。子どもの欲求・計画・順番・因果関係の認識と周囲の大人とのそれらの認識との対立などから、理由の表明が求められ、それが「○○したから、○○したので」という複文を生み出されていきます。
重文・複文が出てきて因果関係の表現が発展する。
おしゃべりがますますじょうずになってきて、「今日○○したの、それでね、○○したの、それでね、○○したの」など、「それでね」という接続詞で文を繋げて、長々と今日やったことを説明するようになります。毎日行っている○○活動の代表的なシナリオを言葉にするようになります。例えば、公園エピソードでは、「朝、くつはいて、ママと公園行ったの、シュッて滑り台したの、怖かったの」、お風呂エピソードでは、「夜、ママとお風呂入ったの、あわわしたの、1,2、3,4,5,6,7,8,9,10であがったの」、レストランエピソードでは「いらっしゃいませ、何にしますか、ハンバーガー下さい、100円です」などです。
代表的なシナリオが色々な活動でたくさん出来てきます。すると今度は、いつもとは違う今日体験したことを言葉で表現されるようになります。「犬がいたの、それでこっちから行ったの」や「公園で転んだの、血が出たの、エーンて」などです。代表的なシナリオと今体験している事の違いを色々表現できるようになって、その代表的なシナリオも日々修正されていきます。その違いを明確に表現したものとして、「今日は雨が降っているから外行けないね」という複文が出てくるようになります。
そして、「雨の日はお家であそぼ!」という雨の日のエピソードが出来上がります。いつもとは違う表現として「~だから○○できないね」という理由が明示されて、因果関係の表現が出始めます。そうした、客観的な認識で、理由の表現が出てくる前に、自分自身や身近の人のことだと、理由の表現がもう少し早く出現します。例えば、母親が「お風呂入りなさい」と言うと「まだテレビ見てるから、終わって」とか、妹が泣いていて、母親が「あらら、どうしたの?」と聞くと「ころんじゃって、泣いてるのよ」とか答えるなどです。その頃、自己主張で、わざと反対のことを言って相手を困らせたりすることが多くなります。「疲れたからやらない」「それじゃなくて、こっちをやりたかったの」「お腹すいてできない」などとやれない理由をなんだかんだ言うようになります
グループ指導の第3段階では、「語り言語」コミュニケーションに近づいています。






グループ指導の第三段階になると上記の絵のように、トーキングカードの絵の世界で因果関係の理解と表現が出てきています。行動面ではマットを登って旗を取ってくる、紐引っ張って箱車が進む、ボールを投げてブロックを倒すなど目的と手段が分化した行動が生れています。これは。頭の中で先をイメージしているもの(目的意識)がより明確になって、そのためには「こうすればよい」と手段が考えられています。全身を使ったジャンプなどの活動は強い達成感と他児との情動的バイブレーションが生じます。ジャンボマットのお舟では情動的共有を味わうことになっています。台車滑りでは、他児とスリルの情動を共有し、一体感を味わっています。
言語や社会性の第12段階
物事の因果関係に着目した会話がたくさん為される中で、「風邪をひいたからお医者行こうね」「ご飯の前はお菓子食べちゃいけないんだよね」「信号で、赤は止まれ、青は進めだよ」など、一定の法則や条件による違いに着目した因果関係の表現も出てくるようになります。また、グループの活動場面では、こうなったらこうするなど条件を伴った一連の行動がよくできるようになります。










グループ指導の第四段階になると、トーキングカードの絵の世界で、長いストーリーの様々な物語の理解と表現が出てきています。
上記のストーリーの絵のように、買い物でパンを買いに出かけました。途中、怖そうな犬がいて通れません。別の道を行きました。そしたら迷子になってしまいました。交番でお巡りさんに道を聞きました。そして、お店に着いてパンを買い、帰る時は犬が寝ていたので無事家に着きました、という物語があります。こういう状況になったらこうするということが連続的の繋がっているストーリーです。
それらの物語の理解と表現が可能になってくる時期に、グループの活動場面では、こうなったらこうするなど条件を伴った一連の行動(指定されたカードを選んでハエ叩きで取る、歩いていてシンバルが鳴ったら椅子に座る、歌に合わせて動き出会ったところでじゃんけんする、王様じゃんけんゲームで負けたら王様を交代する、ハンカチを自分の後ろに置かれたらすぐ追いかける、ジャンボマットの倒す・受けるを繰り返す、目隠しして母親の声を頼りに母親を探すなど)ができるようになっています。これは頭の中で、こうなったらこうするという条件や情景を想定して動いていると思われます。
つまり、こうなったらこうするという条件や情景を想定しての活動を他児と同じようにできるようになることは、絵の世界での物語の理解と表現が可能になることと連動していると思われます。
ここで、重要なのは、「先生が○○取って」「ハエ叩きで取るんだよ」「歩いていてシンバルが鳴ったら座るんだよ」「はないちもんめで出会ったところでじゃんけんするんだよ」「ハンカチ落とされたらすぐ追いかけるんだよ」などの指示にみんなが行動で応じられるようになっていることです。
第3段階のいろいろ目的操作的活動の種類が増えて、この目的のためにはこうしなければならないというレパートリーが増えていく中で、競争が激しくなり、集中力が高まっている中で、こういう条件の時はこうしようという想定をみんなが同じように考えられるようになってきた時、ルール遊びが出来始めてくるのではないでしょうか。
ちょうどその頃、じゃんけんができて、その結果に従えるようにもなってきます。じゃんけんは元々、手の出し方の条件で勝ち負けが決まるわけで、条件に応じた行動と言えます。そのため、この時期に色々なじゃんけんゲームも可能になってきます。
言語
一定の法則や条件の違いによる因果関係の表現が、多くなってくると、比較文の理解で、「大人は大きいけど子どもは?」と聞くと「小さい」と答えたり、条件文の理解で「お腹すいたらどうしますか?」と聞いて「ご飯食べる」と答えたり、「お家でアンパンマンとか見るものは何ですか?」と聞くと「テレビ」と答えるなど、物の定義を聞いても答えられようになります。
言語性の発達検査(LCスケール)によると、3歳後半までに通過するものとして、形容詞・動詞・ジェスチャー・語連鎖・表情・量的概念のなどの理解と文の復唱・対人的言葉の使用が挙げられています。
4歳後半までに通過するものとして、助詞と語連鎖の理解(○○してから○○して下さいなど条件文の理解)、状況画の理解と説明(このあとどうなりますか?)、推論(○○したらどうしますか?)、5歳後半までに通過すものとして、疑問詞の理解(いつ・誰が・どこで・何をした?)、文脈に応じた動詞の使用(○○は何するもの?)、文章の理解(短い物語聞かせて後で順番を聞く)が挙げられています。 この中で、4歳~5歳で通過すものは、先に述べてきた、因果関係の理解と表現が発展する中で獲得される言語能力とほぼ一致します。






上記の絵で上記の絵を見て、「何が変ですか」と聞いて、「アヒルがボートに乗ってるのが変」「道路で魚釣りしてる、道路じゃ釣れないでしょう」「キリンなのに鹿の角が生えておる」などと答えられると、普通と違う点の説明力が高いと言えます。
また、問題作りで「人の形をしていて角があるのは何ですか?」「体の一部で聞くところは何ですか?」、「焼くとぷーって膨らむものは何ですか?などの問題が作れると物事の説明力が高いと言えます。
言語や社会性の第13段階
問題が作れるなど物事の説明力が向上し、誰かが作った問題に誰かが答えるのを繰り返して、他児との相互交通のコミュニケーションが成立しています。
また、いろいろな他児との役割交代遊びに夢中になって楽しめるようになります。
グループ指導の第五段階では、問題が作れるなど物事の説明力が向上し、誰かが作った問題に誰かが答えるのを繰り返して、他児との相互交通のコミュニケーションが成立しています。
文字が読めるのを前提にしたかるた取り、数を並べられたり順番通りにする必要があるトランプなどの机上の競争ゲームをルールに沿って楽しめるようになっています。また、行動面では、様々な能動受動の役割交代や駆け引きがある活動(ドッチボール、かくれんぼ、しっぽ取り、泥棒警察、氷鬼、高鬼、だるまさんがころんだなど)を楽しめるようになってきています。捕まえる役と逃げる役など相手と逆の立場を次々交代しながらやり取りを続けられるようになっています。しかも、夢中になって、役割を交代し、遊びを続けようとします。自分と逆の役割をする相手に対する関心がすごく強くなります。そして、自分だけでなく、誰もが公平に主役を演じることを喜び合えるようになります。これこそが、人間に求められている協調性そのもののように思われます。そのような人と人とのやり取りの中で他者を尊重する気持ちが生まれてくるのではないでしょうか? そのため、昔から、現代の子ども達もみんなが楽しめるものとして伝承されてきています。また、問題を作って誰かが答える課題の中で、相手が答えを出すまで、相手に分かるようにいろいろ問題を瞬間的に考えようとする気持ち(相手に対する配慮)ともつながっているように思われます。
ベニヤ板の上を歩いてきてジャンボマットに飛びつくような高度な運動活動は決断を必要とし、成功したら強い達成感を味わえ、他児とも一体感を味わっています。
グループ指導の第5段階では、問題を作って、他のだれかが答える活動をしていて、交代で問題を作って、分かった子が答える活動では、とても会話に近いやり取りになっています。トランプなどの競争ゲームで、負けて大騒ぎになることがよくありますが、負けても次頑張ればよいことを徐々に学んで行きます。また、役割交代の遊びがいくつもできるようになっていて、主役をどんどん交代していくことで、相手を尊重できるようになってきます。そのようなやり取りで、他者の心の理解につながるのでないかと考えています。
この時期の社会性の発達では、相手を尊重できるようになることがとても重要で、しかも徐々にそうなってきています。
現前事象から独立した言語体系が確立されます。
また、相手を尊重する心が育ってきます。
言語性の発達検査(LCスケール)によると、6歳前半までに通過すものとして、受動態の理解、受動態と能動態への変換、じゃんけんのルールの説明、状況画の説明(ある場面でどうしてこのような行動をとったか?)、不合理な話し(短い物語を聞かせておかしなところは何ですか?)が挙げられています。
6歳後半までに通過するものとして、助詞と助動詞の理解、論理的表現(○○はどんなところが便利ですか?)、反対語、複雑な指示の理解、時間的な話し、が挙げられています。それらの課題は綜合して以下のような言語能力を示していると思われます。
- 基本的文法構造の確立
助詞と助動詞の理解や受動態と能動態の変換が可能と言うことで、6歳後半までには基本的な文法構造が確立されると思われる。 - 語彙力
日常的に使われている会話の中の語彙はほとんど理解し、使用できる。 - 論理的な説明力
「○○はどんなところが便利ですか?」が答えられることは日常接するものについての定義が分かって説明できる。 - 心の発達
『その人は知らないわけだから、きっとこういう行動をするはずだ』など、人の思いを推測できる能力が6歳にはかなり発達する。 - 物語力
体験したことを『いつ、どんな場面で、どのようなことがあって、どういう結末になり、どう思ったか』などと、相手に分かるように話せる能力(すこし、誇張して脚色する場合もある)がかなり発達します。
これらが発達することで、どんな様々な大きい集団の中でも、十分通用する会話やコミュニケーションが可能になります。

