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障がい別の指導について
ADHD
多動衝動が強い、一つのことに注意を向け続けることが難しい、不注意なことが多いなどの症状を持つ
多動衝動性が強い、あちこち気が散りやすいなどの原因として、脳の注意機能のシステムがうまく作動していないために起こると考えられています。ハーバード大学のジョン・F・レイティーは、やや高度な運動活動が注意機能を高めるために効果的であると主張しています。気が散りやすことに関して、枠組みがしっかりしていて、目的の方へ気を向け続けるためにコーチングやスケジュール帳などが有効であると述べています。とにかく、スリルやスピード、破壊的遊びを好みます。それでいて、耐性が低く、すぐ自分の思うようにできなかったり、勝負に負けたりすると癇癪を起こしがちです。また、相手より優位にできなそうだと、途端にやる気を無くしてしまいます。いろんなことが速くできるにもかかわらず、自己肯定感が低い傾向にあります。
多動衝動性の強い子どもの例
4歳前半の時、1人で走って行ってしまう、じっとしていられない、座っていられないなどの多動さを主訴で来所される。2~3語文の発語はある。危険なことをやろうとするのをあまり止めないようにして、しっかり運動させながら、他児と切磋琢磨して、他児が見本になって、行動を自ら制御ししてきました。年少の頃はとにかく動き回り、スリルのある危険なことばかり行っていました。年中の頃はことばがよく話せるようになってきて、我が強く、自分の好きな活動ができないと叫び続けていました。年長になって、多動さは減ってきていましたが、何事にも負けるのがいやで、負けそうになるとやる気が急になくなっていました。耐性の低さや自己肯定感の低さが目立つようになっていました。なるべく勝たせるようにしたり、「大丈夫よ今度は勝てるよ!」そっと励まし続けて練習していると、できること(王様じゃんけんゲーム・バットでボールを打つ・玉指しゲーム・ジャンボマットに飛びつきなど)が徐々に増えてきて、負けても挑戦できるようになりつつあります。
自閉症スペクトラム
ある特定の物や事柄に対して興味関心が強くこだわりが強い、人への興味が薄いとか感情の共有や相手の気持ちを読むことが難しいなどの症状を持つ
いろいろなこだわりがあったり、嫌なものは絶対いやなど修正が聞きにくいことが多いです。また、他児とのやり取りを含む活動が難しかったりしますが、練習して少しづつできるようになることも多いです。理解力が高い子の場合でも、常識的な暗黙知がわかりにくいことや羞恥心の育ちが遅れることもあります。
自閉症スペクトラム症の疑いがある子どもの例
年中前半の頃
結構高度な話が出来る所があり、いろんなことに詳しい。目新しいとよくやるが、すぐ飽きてしまう事がある。楽しそうな活動でも1~2回でやめてしまうことがある。負けそうだと急にやらなくなる。スリルのある活動は夢中になってやっている。
年中後半の頃
問題は的確に作っている。他児が自分より早く喋れたりすると拗ねてしまう。
むらがあってよくやる日と乗れない日があり、気分が乗らないと隠れて暫く動かないことがある。(寝起きのせいか)
よくやる日でも自分中心で場面に関係なく喋ったりすることもある。以前に比べると、続けて他児と共同活動を出来るようになっている(ドッチボール、何でもバスケット、ハンカチ落とし)。他児とワンワン言い合ってふざけあうこともある。
年長後半の頃
言語力は高く、問題作りは的確に作っている。やり取り遊びのドッジボールは投げるのは上手だが、逃げるのは難しい。しっぽ取りは逃げるのは上手だが、捕まえることは難しい。高鬼は鬼になるのを嫌がる。他児と同じスタートラインに立つことが難しい。勝負事(ババ抜きなど)で負けるとすごく怒り、後の活動に引きずってしまう。一旦気持ちがめげると、跳びつきの時に寝っ転がっていて、他児に抜かされたりすると怒る。問題作りでも、他児がすぐに答えてしまうと「みたな!」と怒る。自分がうまくいかなかった時に他児に八つ当たりで暴言(ドッジボールで近くにいて、他児に顔面を当てられて「この野郎!バカ」と言うなど)を言うことがある。
その後、ドッチボールで負けるという被害意識が強くなって、当てられそうになるとやめてしまって大泣きし、母親に八つ当たりし続けることがあり、「一緒に逃げる練習をしようよ」と提案し、次回やってみると、上手に逃げられて、機嫌よくできました。その後は、ずっと機嫌よく続けられています。
ドッチボールで当てられて、ショックになって自分の中で解決できずにギャーギャー泣きながら母親に訴えていて、次の課題を行っている時、本当はもっとドッチボールをやりたかったということをやっと表現できて、もう一回やって解決していました。負けそうとの被害意識が強くなったとき、ドッチボールの時逃げることをして、そして攻撃することを実際の場面で一緒に練習してみると、逃げることが出来て、ドッチボールを楽しむことができるようになっていました。通常多くの子は逃げる・投げるなどの他児とのやり取りを早い時期から本能的にできることが多いのですが、他児とのやり取りを獲得するのに先生の手助けが必要だったり、時間がかかったりしています。
また、他児とのやり取りの場面で悔しい思いをしたとき、すぐことばにして先生や他児にうまく伝えるのが難しかったのだろうと思われます。母親だけではなく先生に伝えられて気持ちが落ち着いたのだろうと思われます。高度な話がたくさんできる割には、人とのやり取りの中で他児に自分の気持ちを伝えるのが難しいようです。本児の場合、知的には高いのですが、他児とのやり取りには大変苦労していると思われます。身体を使った役割交代遊びの課題の中で、うまくできていない他児とのやり取りをうまく手助けしながら、やり取り能力を上げていくことが重要だと思われます。
発達障がいのどのタイプにも当てはまらない子ども
人の指示に従うのが苦手の子ども
子どもの現状・課題
要求では2語文もある、発音がはっきりしない)、こだわりが強い、癇癪がある、パターン化した行動をしたがるなどを主訴として来所されました。ある医療機関で自閉症スペクトラムと診断されていましたが、当所での行動観察からは、おそらくその範囲ではないと思われました。とにかく自分の思い通りにやろうとして、スタッフが手伝っても怒る。泣き叫ぶことが頻繁でした。まずは、本人が思う通りしたがる(こちらを無視して違うことをする、カードを無理に動かしたり、ほおり投げたり、少しでも手伝おうとすると激し奇声を上げて拒否するなど)のを修正したりしないで、好きなようにさせているとどんどんわがままになり、スタッフを命令通りに動かすようになりました。自分の思いついた遊びで、箱車の滑り台、台車滑り、ボーリング、お家ごっこなど満足の行く遊びができて、機嫌がよい日が多くなってきました。最初の頃は母親の指示もことごとく拒否していたのですが、徐々に母親を受けいれて抱っこされるなど依存できることや、母親の言うことを聞けることも徐々に多くなってきました。ことばは叫ぶように話すこと多く何を言っているかわからいことが多かったが、母親にはよくわかるようで、1年後には、要求を中心に2~3語文で話すこと多くなっていました。
あまりのわがままで、このままでは社会性の発達が心配ですと母親は訴えられ、少人数のグループ指導も併せて行うことになりました。グループの時は、他児中心にやっているのを見ていて、しばらくギャーギャー怒っていることも多かったが、急に切り替わって、他児のやっている活動を自分もやることも出てきました。参加の仕方が、他児がやっている活動の場にいても、違うやり方をしていましたが、やっているうちに、徐々に他児と同じ活動の仕方になって来るもの多く出てきました。
10か月ぐらい過ぎて、初期の成果は、自分の要求を毎日たくさん主張して、発語が多くなって、2~3語文を話すようになったこと、母親の言うことだったら聞けることがおおくなっています。機嫌よく自分のアイデアで遊びを主導して他者を巻き込んで、たくさんの遊びを展開し、自信をもって機嫌よく過ごせるようになってきています。
1年半ぐらい過ぎて中期の成果は、肥大化した自己主張と、母親のこうした方がもっとよいと思うよという提言や先生からの遊びの提案も受け入れられることが多くなったこと(自己と他者との主張のぶつかり合い)他児との自己主張と共存を経験する。
徹底して、遊びを主導し他者を巻き込んでいく人のやり取りの仕方は自閉症スペクトラム症というより、あまのじゃくな性格気質ではないかと思われます。

