他のお友だちと遊びのトラブル

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① 物との遊びに満足していて人と一緒に遊ぶ楽しみを知らない。

多くの1歳前の赤ちゃんの場合、物に対しても好奇心に溢れ、じっと見たり触ったりしますが、人(特に母親)に対しもその目や口元、表情、声などに強い関心を示し、愛着の感情を抱くようになり、しょっちゅう相手してもらいたがるようになります。見えなくなると後追いして大泣きするようになります。しかし、お子さんによっては、後追いなどが割とあっさりしていて、何か面白いことを発見しても、母親の方を振り向いて見てもらいたがることが少なく、自分だけで楽しんでいるような場合もあります。そういう場合、人との共有意識を高める指導が必要となります。まず、子どものやったことに対し、大人が関心を示し、即座にオーバーに褒めることや、一緒に遊んで感情を共有し合うことが必要となります。

☀おもちゃや機械類ばかりに興味があって、他の子と遊ぼうとしなかったお子さん→事例

② 他児に関心はあるが、交わり方がわからない場合

運動能力や物事の理解力が似ている数人のグループで、誰でもやってみたくなるような課題や遊びを提示して、一緒に活動して一体感を感じていく。

それらの遊びの中で、一緒にやることの面白さを感じ、(その瞬間の湧き出てくる感情が同じでバイブレーションを起こすなど)お互いに影響し合っていることに気付いて(自分はあまりやりたくないと思っている課題でも他の子が面白そうにやっているのも見てつられてやってしまうなど)、友達意識が強くなってくると、自然と自分からも他児を遊びに誘うことや、他の子が遊んでいる所に「入れて」言えるようになります。

☀他児の泣き声を嫌がり、一緒に遊べなかったお子さん→事例

③ 他児と遊びたがるが、トラブルになることが多い

運動能力や物事の理解力が似ている数人のグループで、誰でもやってみたくなるような課題や遊びを提示して、一緒に活動して一体感を感じていく。

それらの遊びの中で、一緒にやることの面白さを感じ、お互いに影響し合っていることに気付いて、友達意識が強くなってくる。また、他児ともめそうな時も大人の調整や励ましを受けて(例えば、自分が取ろうとしたものを他の子が先に取って、怒ったり拗ねたりした時、他の子がやったらすぐそれを大人が持ってきてくれて、もう一回やらせてもらえるなど)立ち直れるなどの体験を通し、他者との行き違いから生じる負の感情に対する耐性が強くなってきます。すると、ちょっとしたトラブルがあっても一緒に遊びたい気持ちの方が強くなって、そのトラブルを乗り越えられるようになります。

それぞれ自己主張が強くなり、次にやりたいことが他の子と違ってかちあった場合、どちらかの意見を順番に取り入れることや、じゃんけんして勝った方の意見を取り入れていきます。また、競争意識が強くなり、順番や勝ち負けにこだわって、負けると大騒ぎになることが多々ありますが、何度も勝ったり負けたりすることを繰り返して、段々に「次頑張ればいいや」というように負けること対しての自己コントロールも出来てきます。自分を律して、ふと相手の気持ちに気付いた時、「相手に譲るという」ことができるようになってきます。

☀他児と遊びたがるが、トラブルが多い・自己主張が強く、物の取り合いになると譲れなかったお子さん→事例

④  他児への関心が弱い・大きな集団を怖がる

脳機能障害である自閉症の場合、赤ちゃんの時から人刺激(目を合わす、口元や声かけ、抱いてあやす)に対する関心が弱いとか、何かが出来た時や発見した時に母親の方を見ることが少ないなど人との共有意識が弱いとか、大きくなっても人の気持ちが読めにくいなど独特の対人関係の問題が持続することになります。そういうお子さんの中で、知的な遅れは僅かであるにも関わらず、大きな集団には溶け込めない場合があります。

☀他児に関心弱く、大きい集団を怖がる・アスペルガーの疑いがあるお子さん→事例

☀自閉症のお子さんの独特の認知の仕方が影響して、大きな集団の中の雑多な情報を自分でコントロールできず、幼稚園を登園拒否し、少人数の通園施設に変わったら、活き活きと通いようになったお子さん→事例